セラミックによる治療 CERAMIC

ジルコニアセラミックによる治療

ジルコニアセラミックとは

タイトル

セラミックは陶器に使われる材料で、透明感のある白さが特徴です。一方のジルコニアは、セラミックのなかでもとくに強度に優れたものになります。
ジルコニアは噛み合わせなどによるダメージに強いものの、透明感ではセラミックに劣ります。そこで、ジルコニアをセラミックで覆うことによって審美性を高め、さらに強度も高められます。これがジルコニアセラミックです。

ジルコニアセラミックの優れているポイント

透明感のある白さを演出できる
POINT 01

透明感のある白さを
演出できる

補綴物の土台となるジルコニア部分も白いものなので、表面をセラミックにするだけでも透明感を保った仕上がりになります。光を通すセラミックの特徴をいかしながら、遮蔽効果も得られます。それにより、被せる歯が変色している場合でもきれいな歯に見せることができます。

奥歯にも白い歯を適用できる
POINT 02

奥歯にも
白い歯を適用できる

ジルコニアの大きな特徴は、強度の高さです。噛み合わせが強い方だと、奥歯のように食いしばるところにセラミックを使用すると割れてしまう可能性があります。ジルコニアの強度はセラミックの10倍以上ともいわれており、大きな負荷がかかりやすい奥歯に使用しても、割れるリスクはほとんどありません。

非金属製で体にやさしい
POINT 03

非金属製で
体にやさしい

ジルコニアセラミックは金属を含まない材料です。金属を使った補綴物は、長年使っていると金属アレルギーを発症するおそれがあります。また、もともと金属アレルギーをおもちの方も使用できません。ジルコニアセラミックであれば生体親和性も高く、金属アレルギーの心配をせずにお使いいただけます。

こんな方におすすめです
こんな方におすすめです

  • 色が変わってしまった歯をきれいに見せたい
  • 口元に自信をもって思いきり笑いたい
  • 昔つけた銀歯が気になっている
  • 噛み合わせが強いため、奥歯にセラミックを入れるのは難しいと言われている

自費と保険適用による被せ物の違い

ジルコニアセラミック冠
オールジルコニア冠

CAD/CAM冠

銀色の被せ物

保険適用 x ○ ○
美しさ ◎ ○ △
強度 ○ △ ○
金属アレルギーリスク

なし

なし

あり

クラウンについては、セラミックで作ると破折する可能性があります。そのため、今後は多くの歯科医院がセラミックからジルコニアに移行すると考えられます。

保険診療で作製できる白い補綴物ですが、クラウンとしては強度が不足しており適用できない部位もあります。そのため、使用する際は歯を多めに削って強度を高めることになります。低価格で早く白い歯を作りたい方には向いていますが、接着力が高くないためトラブルが起きる可能性があります。

見た目が不自然になってしまいますが、病気の進行を止めるのには適している材料です。保険診療なので費用を抑えられる、強度に優れているといったメリットがあります。

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クラウン(被せ物)の種類

前歯の自費診療では、ジルコニアを使用します。また、インプラントの上部構造に金属で作製したクラウンを適用する場合があります。
小さな箇所の修復物としてジルコニアを使うこともまれにありますが、あまり歯を削りたくない場合はコンポジットレジンの充填をおすすめしています。

フルジルコニアクラウン

フルジルコニア
クラウン

補綴物の内部だけでなく、クラウンすべてをジルコニアで作製したものです。ジルコニアだけで作製することにより、とても丈夫な作りになります。ジルコニアセラミックに比べてもフルジルコニアは透明感があり、「ある程度白いクラウンであれば色調は気にならない」という場合には強度に優れたフルジルコニアクラウンが向いています。

ジルコニアセラミッククラウン

ジルコニアセラミック
クラウン

ジルコニアの表面にセラミックを焼き付けたクラウンです。強度を高めつつ、ジルコニアだけで作製したクラウンに比べて透明感のある色調になります。あらゆる色調のセラミックパウダーをいくつも重ねて焼き付けるので、天然歯に近い色調を再現できます。

ハイブリッドレジンクラウン(CAD/CAM冠)

ハイブリッドレジンクラウン
(CAD/CAM冠)

レジンとセラミックを混合させた材料で、コンピューターでデザインや作製をするクラウンです。保険診療で白い補綴物を作れるというメリットがありますが、強度や審美性以外にも、接着性においてもデメリットが見られます。その為、保険治療の適応症が限られます。

メタルセラミッククラウン

メタルセラミッククラウン

金属の周りにセラミックを焼き付けたクラウンです。内側が金属なので、セラミックだけで作られたクラウンに比べ透明感に劣りますが、強度に優れています。ただし、金属が溶け出して歯肉との境目にブラックラインが現れたり、金属アレルギーを発症する可能性もあります。

ファイバーコア

ファイバーコア

「コア」とは、歯根の強度を上げる目的でしん棒土台として入れるものになります。このしん棒の材質は金属が使われていましたが、色が白いグラスファイバーを用いたものがファイバーコアになります。
ファイバーコアの特徴は透明感にあります。ファイバーコアにクラウンを被せたときに透明感があり、金属のコアに比べて見た目がより自然になります。また、金属アレルギーの心配もありません。ただし、歯根の量が少ない場合は適用できないことがあります。

ファイバーコアの特徴

  • コアの色が白く、クラウンを被せたときに透明感がある
  • 歯肉や歯根が黒ずまない
  • 歯根に近い硬度になっているうえにしなるので、歯根が割れてしまうリスクを大幅に下げられる
  • 非金属製なので金属アレルギーを起こす心配がない

一般的なリスク・副作用

審美的歯科治療・セラミックによる治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • ・審美的歯科治療としてセラミックによる治療を行なう場合、自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • ・事前に根管治療(神経の処置)やコア(土台)の処置が必要となることがあります。
  • ・治療では歯を削ることがあります。また、知覚過敏を発症することがあります。
  • ・抜髄(神経の処置)や抜歯が必要になることがあります。
  • ・抜歯や外科処置をともなう場合、出血や腫脹(しゅちょう)を生じることがあります。
  • ・治療で歯肉を移植する場合、二次的な出血・疼痛・腫脹(しゅちょう)が見られることがあります。
  • ・治療後、自発痛、咬合痛、冷温水痛を生じることがあります。
  • ・歯ぎしり・食いしばりなどの癖や噛み合わせによっては、補綴物が破損することがあります。
  • ・セラミック製の補綴物は、金属製の補綴物よりも歯を削る量が多くなることがあります。
  • ・噛み合わせ・歯ぎしりの強い方は、セラミックの破損を防止するため、マウスピースをおすすめすることがあります。

CAD/CAM装置を用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • ・ソフトウェアを利用して歯科修復物のCAD(コンピューター支援設計)またはCAM(コンピューター支援製造)に使用します。
  • ・この機器を使用して行なう修復物の作製は自費診療(保険適用外)となることがあります。その場合は、保険診療よりも高額になります。
  • ・患者さまの症状によっては、この機器での治療を適用できないことがあります。
  • ・お口の中にスキャナーが入るため、ごくまれに多少の不快感を覚えることがあります。
  • ・補綴物の作製・セットが1日で終わっても、その前後に診療が必要な場合があり、治療後も継続的なメンテナンスを受診いただくことになるので、通院が1回とは限りません。